手で押さない施術が、なぜ深く届くのか
「もっと効かせたい」
「圧が足りないと言われるのが怖い」
そう思って、手や腕に力を入れて施術していませんか?
実はそれ、“効かない手”を自分で作ってしまっている状態かもしれません。
スウェディッシュマッサージスクールGHTSでは、 手や腕の力を使わず、股関節と肩関節を使って施術するケアササイズという世界初の技術を軸に指導しています。
なぜ「力を抜いたほうが効く手」になるのか。
今回はその理由を、科学・人体構造・エルゴノミクス(人間工学)の視点から解説していきます。
「効かせよう」とするほど、圧は浅くなる
手や腕の筋肉で押した圧は、
✔ 局所的
✔ 断続的
✔ 揺れやすい
という特徴があります。
これは筋力で生み出した力が、小さな関節(指・手首・肘)を経由することで分散・減衰してしまうためです。
結果として、
・圧は入っている「つもり」
・でも深部には届かない
・施術者は疲弊する
という悪循環が起きます。
人体は「押す」より「乗せる」構造でできている
人間の身体は、重力を利用して動く構造をしています。
特に重要なのが、
・股関節
・肩関節
この2つは大関節と呼ばれ、身体の中でもっとも安定して力を伝えられる場所です。
GHTSのケアササイズでは、この大関節を使って体重を“手という道具”にのせるという発想で施術を組み立てます。
科学的に見る「体重をのせる圧」の強さ
物理学的には、圧(Pressure)は
圧=力 ÷ 接地面積
で決まります。
筋力で押す場合
→ 力は不安定、接地もブレる
体重をのせる場合
→ 力は重力由来で安定、持続的
さらに、股関節からの重心移動で生まれた力は肩関節を経由して最小限のロスで手に伝わります。
これが「軽く触れているのに、深く効く」と感じさせる圧の正体です。
エルゴノミクス(人間工学)的に正しい施術とは
エルゴノミクスでは、「人は、力を出すために設計されているのではなく力を伝えるために設計されている」と考えます。
GHTSで教えている施術法は、
・骨盤、背骨はニュートラル
・股関節で前後移動&回転運動
・肩関節は曲線&回転運動
・手と腕は脱力
この状態では、
・手首・肘への負担が激減
・圧は一定
・長時間でも崩れない
つまり施術者の身体を壊さず、効果は高いという、エルゴノミクス設計に即した理想的な形になります。
ケアササイズが「施術力」を変える理由
多くの人が「施術は手技の練習」だと思っています。
しかし実際には、
・股関節が固い
・肩関節が不安定
・重心移動ができない
この状態では、どんな手技も力技になってしまいます。
GHTSのケアササイズは、
・股関節で体重を預ける感覚→腰をいれる
・肩関節を支点にする感覚 →肩をいれる
・手を“使わない”安心感を身体に覚えさせるためのもの。
だからこそ、「力を抜いたのに、前より効く」という変化が起きます。
「効く手」は鍛えるものではなく、整えるもの
指を鍛える必要はありません。
腕を太くする必要もありません。
必要なのは、
・身体の使い方を知ること
・余計な力を抜ける身体になること
その結果として、手は“最も優れた道具”になります。
体系的に学びたい方へ
今回お伝えした内容は、GHTSで教えているケアササイズという施術理論のほんの一部です。
スクールでは、
・なぜその姿勢で効くのか
・なぜ壊れないのか
・なぜ再現性があるのか
を体感と理論の両方で学んでいただきます。
「もっと楽に、もっと深く効かせたい」そう感じた方は、ぜひ一度体験しにいらしてください。
セラピストもお客様も、ずっと探していた答えがきっと見つかると思います。
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